さ、さとしくん。何を言ってるの!IT企業でホワイト企業なのは、ほんの一部の会社よ
え、そうだったのか?でもよくエンジニアは自由な働き方・オシャレなオフィス・高い給料で悠々自適に働いているって聞くぜ。。。
『オシャレなオフィス・自由な働き方・高い給料』ホワイトなIT企業のイメージがありますよね。
しかし現実のIT企業の多くが
『長い残業・迫りくる納期・割りに合わない給料』の三重苦です。
なぜ同じIT企業の中でこのような差があるのでしょうか?
実はIT企業でも行う業務によって全く違う職種と言っていいくらい業務が違います。
そこで今回は、本当は避けたいブラックIT企業・ホワイトIT企業とブラックIT企業の見分け方などについてご紹介していきます。
それでは参ります。
IT企業におけるブラック企業とは?
まずはIT企業におけるブラック企業についてみていきます。
実は、厚生労働省ではブラック企業という言葉は明確には規定されていません。

厚生労働省とは別に、弁護士、ジャーナリスト、大学教授などが「ブラック企業大賞企画委員会」を立ち上げ、毎年ブラック企業大賞というものを発表しています。

ちなみに2016年には、クリーンなイメージのある郵便局がブラック企業大賞に選ばれたことで、話題となりました。

ブラック企業大賞では、以下のようなポイントをブラック企業の特徴として指定しています。
・長時間労働
・セクハラ・パワハラ
・いじめ
・長時間過密労働
・低賃金
・コンプライアンス違反
・育休・産休などの制度の不備
・労組への敵対度
・派遣差別
・派遣依存度
・残業代未払い(求人票でウソ)

今回の記事では、このブラック企業の特徴をベースにIT企業でのブラック企業についてみていきます。
ブラック企業の定義が明確じゃないなんて驚きだぜ。
それよりもびっくりしたのが、俺の会社の特徴がブラック企業の特徴のまんまってことだけどな。。。
ブラックIT企業の特徴
それではさっそくブラックIT企業の特徴についてみていきましょう。
上記のブラック企業の特徴にプラスして
- 夜間、休日の緊急対応が必要になる
- ベテランがいない
- 下請け案件が常態化
それぞれ簡単にみていきましょう。
夜間、休日の緊急対応が必要になる
ブラックIT企業の多くは、クライアントに対して強く『ノー』を言える関係にありません。
そのため、クライアントで問題が起こった際にはすぐに対応できる体勢が必要となっています。
しかしながら、利益はそこまで多くないため常に待機している人員を確保することができないのです。
そのため、通常業務を行ないつつ緊急時も対応すると言うことが求められてしまい急な残業などが発生してしまいます。
ベテランがいない
ベテランがいないと言うことはつまり、『離職率が高い』と言うことです。
ベンチャー企業のように例外もありますが、通常の企業であれば業務に5年程度従事しているベテラン社員が存在しています。
にも関わらず、あまりベテランがおらず2〜3年目の人ばかりと言う会社には注意が必要です。
そのような会社は、常に人員が不足しており人の出入りが激しいです。
人の出入りが激しいと言うことは、採用費にもそれだけお金がかかっていると言うことなので給料の額が下がってしまいます。
下請け案件が常態化
上記のような負のスパイラルに陥ってしまった企業は、下請けではなく元請けにならなければ改善をする事は出来ません。
より利益率が高く、自社にノウハウが残る形で案件を受注する事で安定した収益の確保や業務のゆとりが生まれます。
しかしながら営業力がなく、簡単に受注できる下請け案件ばかりをこなすことで社内にノウハウが残らず下請け案件が常態化してしまうのです。
ブラックIT企業には上記のような特徴があります。
では一体なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
それはIT業界の構造による問題があります。
それではみていきます。
ブラックIT企業を生む多重請負構造の闇

多重請負構造と言う言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
一昔前までは、よく建設業界で聞かれる言葉でした。
実はこの多重請負構造による問題がIT業界では深刻化しています。
一次請となっている企業は、ほとんどが大企業で多くの中小企業は二次請以降の仕事をしています。
さらに二次請ならまだしも三次、四次…7次請など非常に多くの階層を挟むこともあり『搾りかす』のような金額で長時間労働を強いられると言う構造があるのです。
さらにその方法もかなり特徴的で、勤務している会社で仕事を受けるのではなく発注をかけられた会社に出向きそこで仕事を行うのです。(いわゆる客先常駐と呼ばれる方式)
この客先常駐も非常に問題となっており、偽装請負で中間マージンをむしりとるだけなのではないかと言われています。
実際に、厚生労働省もこの問題を認識しており下記のようなガイドラインを発表しております。
それでは実際にこのようなブラックIT企業をどう見破ればいいのでしょうか?
お〜〜〜〜。俺は一体どうればいいんだ。。。。
大丈夫よ、さとしくん!
ブラックIT企業をしっかり見分ける方法があるから安心して!
ブラックIT企業の見分け方
ここからはブラックIT企業の見分け方についてご紹介していきます。
- 固定残業代が含まれているのか
- 離職率や、有給消化率が未開示
- 客先常駐を行なっているか
- 主な取引先はどこか
以上の4点を見るだけでもかなりの確率でブラックIT企業を見分けることが出来ます。
それぞれ詳しくみていきます。
1.固定残業代が含まれているのか
募集要項の給料の額に、固定残業代が含んで表示している会社はブラック企業である可能性が非常に高いです。
固定残業代を含むことで意図的に給料の額を多く見せ、多くの残業をさせようという魂胆が隠れているからです。
判例上は残業代と基本給は分けて書かなければなりませんが、実際は固定残業代を含んで表示している会社も多く気をつけなければなりません。
基本給がやけに高いなと思った場合は、残業代・営業手当などの名目で額がかさましされていないか聞いてみましょう。
2.離職率や有給消化率が未開示
創業してすぐのベンチャーや、小さな零細企業ではない限り離職率や有給の消化率を把握しているのが当然です。
にも関わらず未開示としている企業は、自社に不利になるような情報を開示したくないからでしょう。
そういった会社はブラック企業である可能性が高いです。
そのため離職率や、有給消化率が未開示の場合は注意が必要です。
3.客先常駐を行なっているのか
IT業界の闇である客先常駐を行なっているかどうかは非常に重要です。
募集要項に記載されていない場合は、必ず聞くようにしてください。
『よくそんな失礼なことを聞けないよ』ということを言うのですが、このような質問で採用を落としてしまうような会社はやめておいた方が無難です。
4.主な取引先はどこか
意外と見落としがちですが、主な取引先はどこなのかを知るのも非常に重要です。
取引先に、中堅のシステム会社などが多い場合その会社の下請け業務が多いと言うことが分かりますし、大手のシステム会社が多い場合2次請である可能性が高くなります。
また通常のユーザー向けサービスなどを行なっている場合は、ホワイト企業である可能性がグッと高くなります。
このように取引先に注意を払うことで、ブラックIT企業を見分けられます。
次はホワイトIT企業の見分け方についてみていきましょう。
なるほどな!これで俺もブラックIT企業を見分けられそうだぜ!
ホワイトIT企業の見分け方
ブラック企業の見分け方がわかれば次は、ホワイト企業が知りたくなりますよね。
あまり多くても混乱することが多いので以下の4つに注意して見分けてください。
- 福利厚生がしっかりしている
- 下請け企業ではない
- 募集要項の説明が丁寧
- 離職率が低く、有給消化率が高い
それぞれ詳しくみていきます。
1.福利厚生がしっかりしている
優良なホワイト企業は利益率が高く、サービスの質を高めるためにエンジニアの獲得や安定にとても力を入れています。
そのため、様々な手当を用意しており非常に福利厚生がしっかりとしていることが多いです。
2.下請け企業ではない
ホワイト企業のほとんどが下請け企業ではありません。
下請け企業になってしまうとどうしても利益率が下がってしまい、労働者にしわ寄せが来てしまいます。
それを防ぐには、元請けの企業を選ぶもしくは、一般ユーザー向けのサービスを開発している・B向けの自社サービスを展開している企業を選ぶのがいいでしょう。
3.募集要項の説明が丁寧
ホワイト企業の多くは、自社が今どんな人材が必要かと言うことを把握しており採用のミスマッチを防ぐために非常に丁寧に募集要項が書かれていることが多いです。
4.離職率が低く、有給消化率が高い
IT企業は離職率が高い業界ですが、それでも離職率が低く有給の消化率が高い企業はホワイトIT企業である可能性が高いです。
この指標のみで判断するのは危険ですが、他の3点も考慮しながら見分けるようにしてください。
まとめ
今回はブラックIT企業についてご紹介しました。
IT企業への転職を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね!