退職後でも傷病手当金は受給可能!手続きと注意点を徹底解説!

怪我をしている様子

業務中にケガをしてしまい傷病手当金を受給していたことがある方もいるかと思いますが、実は退職後も受け続けることができると知っていましたか?

この記事では退職後の傷病手当金について解説します。

傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度であり、被保険者が病気やけがのため働けず給与が受けられない場合に支給されます。

手続きの基本の流れ

  • 医師から診断を受ける

病期やケガをしていた事実を医師に伝えて、労務不能状態である診断書の発行をしてもらいましょう。

  • 会社へ報告する

労務不能状態であると判断されたら会社に報告します。

傷病手当を受けようとしていても、会社の判断により有給休暇の消化等による対応がされる場合があるので、その事も踏まえて事前に会社に相談しましょう。

  • 申請書類等を準備する

傷病手当金を申請するための申請書類を準備しましょう。

準備する書類等は下記のとおりです。

傷病手当金支給申請書 年金額確定通知書のコピー
年金証書のコピー 休業補償給付支給決定通知書のコピー

「傷病手当金支給申請書」の入手方法は

  1. 全国健康保険協会でもらう
  2. ホームページから印刷する

のいずれかになります。

全国健康保険協会のホームページから印刷する場合はこちら

傷病手当金支給申請書には以下の項目を記入します。

「被保険者記入欄」を本人が記入
「療養担当者記入欄」を医師に記入してもらう
「事業主記入欄」を会社側で記入してもらう
  • 申請書を提出する

申請方法は3種類あります。

  1. 郵送で送付
  2. 各都道府県支部窓口へ持参する
  3. 会社の担当部署が代理で提出する

状況によって申請方法が異なるので後ほど確認しましょう。

傷病手当金は申請してから2~3週間ほどで指定の口座に入金されます。

うつ病でも申請できるの?

傷病手当金は精神系傷病(うつ病等)でも身体系傷病(骨折等)のどちらでも、医者が「労務不能」と判断すれば申請することができます。

傷病手当の支給金額

休業1日当たりの支給額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30×3分の2となります。

本当に退職した後も傷病手当金は受けられるの?

在職中しか受けられないと思われがちな傷病手当金ですが、実は退職後も一定の条件を満たしていた場合には手当を受けることができます。

退職後でも傷病手当金が受給できる条件

以下の1つでも満たしていない場合には受給することができません。

  • 傷病手当金を退職時まで受給し、退職後も労務不能状態が続いていること
  • 退職日まで継続して1年以上被保険者であったこと

会社の健康保険に加入してから少なくとも1年間は被保険者だったという事実が必要となります。

もし途中で別会社に転職していたとしても、ブランクが1日も無ければ加入期間がリセットされる事はありません。

  • 退職日に「労務不能」であること

もし退職日当日に出勤してしまうと、「労務不能」にならず給付条件を満たしていないと判断されるので注意しましょう。

  • 退職日の前日まで連続して3日以上の労務不能期間があること

まずは3日間連続して会社を休む必要があります。

この休んでいる3日間を待期期間と言います。

待期期間は有給、土日祝日休み等もカウントすることができます。

  • 傷病手当金の支給日から1年6か月が経過していないこと

傷病手当金は支給日から1年6か月が受け取れる最高限度の期間となっています。

この期間は受給している期間ではなく、受給し始めてからの期間となるので注意しましょう。

  • 休業中に傷病手当金以上の給与をもらっていないこと

会社によっては休業期間中でも一定の給与を出すという制度を設けている場合があります。

この場合も、その給与額が傷病手当金よりも多い場合は傷病手当金の支給対象外となります。

ただし給与を受けていても、傷病手当金よりも少ない場合には差額分の支給を受ける事ができます。

退職する場合の傷病手当金の申請方法

傷病手当金の申請の流れの基本は、先ほど紹介したものと同じになりますが、自分の状況によって申請方法が異なります。

  • 在籍中~退職日以後の期間に傷病手当金を受給する場合

⇒退職前と同じく、退職後も会社を経由して申請します。

  • 在職中に傷病手当金を受けた事があり退職後新たに傷病手当金を受給する場合

⇒自分で申請する。

この時、傷病手当金申請書の「事業主記入欄」に会社からの記入は不要となります。

  • 退職後に初めて傷病手当金の継続給付申請をする場合

⇒会社を経由して申請する。
⇒自分で申請する。

以上の2択のどちらかの方法で申請手続きを行います。

自分で記入する場合には、会社に事業主記入欄を記入してもらう必要があります。

退職後の傷病手当金の注意点

注意をする男性

退職後に傷病手当金を受けるうえで注意することが3つあります。

  • 傷病手当金申請には期限がある

傷病手当金には提出期限が設けられており、期間中に申請をしなければ時効により消滅してしまいます。

傷病手当金の申請期限は「権利を行使することができるときから2年」です。

期限までに申請するように気を付けましょう。

  • 傷病手当金を受けている間は失業手当は受けられない

失業手当は「すぐにでも働ける状態の人が求職している間に受けることができる給付」であり、病気やケガなどの「労務不能状態」である場合には受けることができません。

失業手当の受給期間は「退職の日から1年」となっています。

そのため退職後も傷病手当金を受け続けるという場合には、退職後31日目~+1か月経過するまでの間に「受給期間延長の申出」をハローワークで行いましょう

そうすると、病気やケガなどで職探しができなかった期間(傷病手当金を受けていた期間)分が失業手当の受給期間として最高3年まで延長することができます。

  • 会社と波風を立てないようにする

傷病手当金は被保険者の権利として申請する事ができるので、会社の許可は要りません。

ただし、傷病手当金支給申請書の「事業主記入欄」は会社側に記入してもらう必要があります。

健康保険法には、会社が傷病手当金支給申請書の「事業主記入欄」に記入しなかった場合の会社に対する罰則の規定はありません。

会社にきちんと「事業主記入欄」を記入してもらうためにも会社との摩擦がないようにしましょう。

まとめ

退職を検討している方に向けて、今回の記事をまとめたので参考にしてください。

  • 傷病手当金の申請期限は「権利を行使できるときから2年」
  • 傷病手当金を受けるには、退職前に申請をする必要がある
  • 傷病手当金の申請には「医者の証明」と「会社の証明」が必要になる